子どもの心停止とAED

「子どもにもAEDを使用してよいのか」

という質問をよく頂きます。
結論からいえば、1歳以上の子どもにはAEDを使用することができます。
ただしこの場合いくつかご注意頂きたいことがございますので、こちらでご説明致します。

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≪小児用パッドの使用について≫

現在の蘇生ガイドラインにおいては、未就学児(小学校に入学していない子ども)に対してAEDを使用する場合、小児用の電極パッドを使用するか、小児用モードの設定がある機種については小児用モードに切り替えて使用することが定められており、それらがなくやむを得ない場合には成人用パッドを代用してもよいとあります。
小児用パッドは、電気ショックのエネルギーが成人用パッドのおよそ3分の1となるよう設計されており、体の小さな子どもへの過度なエネルギーがかからないようになっています。

東海警備で販売している「ZOLL AED Plus」はオプションで小児用パッドが設定されており、未就学児に対するAED使用が想定されるお客様については、本体初期セットとともに小児用パッドをご購入頂いております。(小児用パッドは胸の真ん中と背中に貼るようになってます)

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また、やむを得ず成人用の一体型パッドを子どもに使用する場合は、下側のパッドを切り離して背中に貼ることができるようになっています。ただしこの場合、胸骨圧迫アシスト機能のセンサーが正しい位置に配置されませんので、胸骨圧迫アシスト機能を使用することができなくなります。

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ZOLL AED Plusの仕様はこちらから
http://www.tokai99aed.com/feature.html

≪子どもの心停止とAED≫

AEDの導入を希望されるお客様でも勘違いしていらっしゃる方が多いのが「AED(電気ショック)の効果」です。
AEDによる電気ショックは、「止まった心臓を元に戻すため」のものではなく、「心臓がけいれんしている(心室細動という症状)のときにけいれんを取り除く」ためのものであり、心停止であればどのようなときにでも有効というものではありません。(電気ショックが必要かどうかはAEDが判断します。救助者はAEDの電源を入れ、音声指示や絵表示に従い電極パッドを貼り付ければ、AEDが心電図を解析し、ショックの必要性を判断します。)

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大人の突然の心停止の多くは心臓が原因のものであり、心臓がけいれんする症状によるものが多くを占めています。心臓のけいれんを取り除く唯一の手段が電気ショックであり、電気ショックが1分遅れると助かる見込みが7~10%ずつ低下するといわれています。そのため街中にたくさんのAEDを設置し、一般の方にもAEDをいち早く使用して頂き、救命率を向上させる取り組みが平成16年から行われてきたのです。

しかし子どもの心停止の多くは、心臓が原因ではなく、呼吸が原因のものが大多数を占めています。炎症で喉が腫れ上がり息ができなくなってしまったり、口に入れたものが喉に詰まってしまったりすることなどにより呼吸が停止し、それに伴って心臓も停止してしまうケースです。この場合心臓がけいれんしている症状ではないので、AEDによる電気ショックは対象外です。

ただし、子どもの心停止でも心臓がけいれんする症状が発生する場合もあります。例えば、球技の最中にボールが胸に当たった際に、そのタイミングが心臓が動く中のほんの一瞬のあるタイミングであった場合に心臓のけいれんを引き起こす「心臓しんとう」と呼ばれる症状もあります。そのため、野球のリトルリーグのチームにAEDを導入頂くこともあります。

心臓が原因の突然死は若年層にも発生することであり、毎年約350件発生している学校での突然死のうち、約80%は心臓突然死といわれています。その多くは運動中であり、ランニング中がそのうち40%を占めています。
しかし心停止の中には予防できるものも多く、子どもの場合は窒息や溺水などの事故を防止することで心停止を予防できるケースも少なくありません。

AEDと救命処置についてはこちらから
http://www.tokai99aed.com/effect.html

≪子どもの心停止と心肺蘇生≫

先述のとおり、子どもの心停止は呼吸が原因によるものがほとんどであり、血液中の酸素はすでに消費されている状態です。そのため胸骨圧迫のみの心肺蘇生では足らず、人工呼吸をあわせた心肺蘇生を行うことが不可欠となります。年間7万人ともいわれる心臓突然死を減らすため、実施のハードルを下げた「胸骨圧迫のみの心肺蘇生」が近年普及しましたが、

“子どもの心停止は人工呼吸が不可欠である”

という点はお間違えのないようにお願い致します。

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子どもは大人の体が小さくなったもの・・・ではありません。体の仕組みや心停止に至るプロセスが大人とは異なり、心肺蘇生法のトレーニングも専用のものが必要となります。
子どもの心停止に遭遇する可能性のある立場にある皆様、成人マネキンで胸骨圧迫のみの心肺蘇生を少しトレーニングしたところで満足していませんか???
いざというとき子どもの命を守る立場にある方は、子どもの命を守るために本来必要なスキルを是非習得してください。(蘇生ガイドラインの中にも、子どもの心停止に遭遇する可能性がある立場にある方は、子どもに特化した心肺蘇生法を習得すべきであることがうたわれています)

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心肺蘇生法などのトレーニングについてはこちらから
http://www.tokai99aed.com/training.html

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