月別アーカイブ: 2016年1月

東海警備のAEDは「導入時トレーニング」も付いています

東海警備のAEDは、導入時のトレーニング(AEDを使用した心肺蘇生法の講習会)込みで皆様に提供しています。
誰かの目の前で心臓に原因がある心停止となった方が発生した事例は全国で年間約2万5千件ありますが、まわりに居合わせた一般の方がAEDを使用して電気ショックを行った件数はそのうちの4%程度(年間約1000件)しかありません。平成16年に市民が使用することを目的としたAEDの普及が始まり、60万台以上のAEDが既に販売された現在でもこの件数です。
心臓突然死の多くを占める心室細動(心臓がけいれんする症状)となった人を救う唯一の効果的治療は電気ショックです。ではその電気ショックを行うAEDはどうやったら動作するのか?まわりにたまたま居合わせた人たちが操作するしかないのです。

平成26年中の市民による心肺蘇生まとめ

私どもがお客様からAEDに関するご相談を頂いたとき、「以前AEDを導入したはいいが、取扱いの講習は消防署に頼んでくださいと言われた」というようなお話を伺うことが少なくありません。AEDは設置すれば人が助かるものではありませんし、AEDを使うには「人が倒れたときすぐ動ける自信をつけておく」「心停止かどうか判断する」「同僚らと連携して119番通報やAEDの準備を行う」「AEDが来るまで心肺蘇生を続ける」といったスキルもあわせて必要になります。
また、「施設内のAED設置場所まで最大どれだけの時間がかかるのか」などを予め考え、関係者で救急事案対処に関する共通の認識をもっておく必要があります。(例えば総務課長ひとりが救命処置を習得していても、ほかの方がまったく動けなければ救命は難しくなります)

 

「AEDで大切ないのちを救う」ということを謳い、お客様にAED導入を勧める側が、「いのちを救う」ということをどれだけ考えられているのか。

 

心停止となった方を救い・社会復帰させるために必要なことは何なのか。

 

市民がAEDを使うことができないのは、いままでに数十万台のAEDを販売してきた販売業者にもその責任の一端があるのではないか。AEDをただの商材として扱い、「いのちを救う」という言葉をうわべだけで発してこなかったか。

 

このような考え方から、東海警備はお客様にAEDを提供する際、機器だけをお客様にお渡しするのではなく、「AEDの適正に設置する」「いざというときAEDを効果的に使用する」「倒れた方を救い・社会復帰させる」ために必要な事柄全般について、お客様に提供することとしています。「安全・安心」をお客様に提供する警備会社としてこれは当然の考え方であると私どもは考えております。
その取り組みのひとつが、AED導入時のトレーニングです。AEDを納品する際が、関係者の皆様が一番AEDに興味を持たれるときであり、各部署の皆様が集まって頂けるときでもあります。皆様にAEDを使用した一連の救命活動を身につけて頂くには絶好の機会ですから、この際に60~90分程度のトレーニング(講習会)を開催し、皆様に「自分の施設で人が倒れたらどうするか」を考えていただくきっかけとしています。

 

ここからは、先般AEDを納品させていただいた平松食品様でのAED導入時トレーニングの模様をお届けします。

平松食品様は愛知県豊川市において、大正11年からつくだ煮づくりを営まれている伝統ある企業様です。あさり・はぜ等魚介類の伝統的なつくだ煮・甘露煮の製法を守りつつ、経営理念である「美食一品献上」を具現化し、時代のニーズを捉えた製品の開発、新しいつくだ煮料理の発信を行う食品メーカー様で、工場直売店『美食倶楽部』でも商品を購入することが可能です。
(平松食品様ウェブサイト http://www.bisyoku.com/company.html

今回は直売店『美食倶楽部』様と、工場様の2箇所にAEDを導入頂きました。

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平日昼間の多忙な時間にも関わらず、たくさんの社員様にお集まり頂きました。
AEDの効果や、AEDを使用した心肺蘇生について、まず動画で説明を行います。
(東海警備オリジナル動画『動画で分かる!ZOLL AED Plus』を使用しています)

動画はこちらからご覧いただけます https://www.youtube.com/watch?v=HtyVA3IdTzA

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トレーニングに参加頂く社員様には予め「普段業務を行っている格好で参加してください」とお願いしています。心肺蘇生の講習会というと動きやすい格好で参加される方も多いのですが、人が倒れたときに着替えるわけにはいきません。普段と同じ状況で手技を体験頂くことが、いざというときの心構えや対策にも繋がります。
実際に業務を行う場所で訓練を行うことが一番効果も高いのですが、食品製造工場ということもあり、今回は会議室でトレーニングを行いました。

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以前、消防機関の救命講習に参加経験のある社員様も、「胸骨圧迫ってこんなに大変だったっけ?!」と仰っていました。繰り返し訓練することが大切ですね。

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いざAEDを準備する際は、設置場所である事務所で普段業務を行っている社員様が現場まで走ることになるかもしれない・・・ということで、実際に事務所から走ってAEDを準備して頂きました。
「走ってAEDを持ってきたけど、このあと心肺蘇生をやるには体力が・・・」「ほかの人にすぐ代わってもらわないとね」と、実際の対処の際、より良い方法は何か、皆様で考えて頂きました。

私どもは警備会社であり、警備業務中に救急事案の対応を行うことは日常的なことでもあります。そのノウハウを生かし、皆様に「人が倒れたらどう行動するか」「何を普段から備えておくべきか」に関するアドバイスを行うことも可能としている点が、東海警備のAEDサービスの強みであると考えております。

AEDは価格だけで決めて良いのでしょうか?
AEDを設置する本来の目的を考えたご検討を頂ければ幸いです。

 

 

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AEDの適正な販売設置と一次救命処置の
普及啓発で救命率・社会復帰率の向上を!

東 海 警 備 保 障 株 式 会 社

名古屋市北区清水五丁目8番1号(本社)
TEL(052)914-3351 FAX(052)914-0214

AEDサイト http://www.tokai99aed.com/

名古屋・愛知・岐阜・三重県でのAEDの
導入設置、救命講習のご相談は東海警備へ
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新しい心肺蘇生のガイドライン JRC-G2015

“新しい心肺蘇生のガイドライン JRC-G2015”

心肺蘇生法等の手順は5年に1回改訂され、新たなものが発表されますが、2015年版の新しいガイドラインが既に発表されています。
今のところオンライン版のみ公表されていますが、公表後の修正を加え、引用文献等を記載した完全版が来月出版される予定です。(オンライン版は一般社団法人日本蘇生協議会のウェブサイトから閲覧できます。)

http://jrc.umin.ac.jp/

「国際的な心肺蘇生のガイドライン」と言われることもありますが、現在のガイドラインは国際的に同じではなく、国際蘇生連絡協議会(ILCOR)が発する「CoSTR」という勧告に基づき各国の機関が自国の実情をかんがみたガイドラインを作成しています。ここでは日本蘇生協議会(JRC)が策定した日本版ガイドライン2015年版(JRC-G2015)について、変更点や特に注意が必要な部分をお話しします。

市民向けBLS(G2015)
※この図は、一般の方でもわかりやすいように文言等を一部修正するとともに、現場で必要な注意事項等を一部追加しています。

“119番通報について”

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市民救助者は119番通報を行い、消防官の口頭指導(電話越しでの心肺蘇生法等のレクチャー)を受けながら心肺蘇生を行うことが望ましいと、G2010から引き続き記載されています。
近年は携帯電話が普及しており、ハンズフリーのモード(スピーカーモードなど)も多くの携帯電話で装備されていますので、現場では「周りの人に119番通報を依頼する」と基本の方法だけでなく、救助者自身が携帯電話で119番通報を行い、ハンズフリーのモードで消防官から口頭指導を受けながら胸骨圧迫等を続けることも考えるべきでしょう。

“呼吸の確認について”

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「呼吸なし又は死戦期呼吸」の場合には心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を開始するとされており、さらに「わからないときは胸骨圧迫を開始する」ことが明記されました。
これは平成23年にさいたま市の小学校で心停止となった小学生に対し心肺蘇生が行われなかった事故などによるものと思われます。

突然の心停止の際には、「死戦期呼吸」と呼ばれる、しゃくりあげるような動作や、口をぱくぱくして首を動かすような仕草がよく生じます。そのため市民救助者が「呼吸はしている」と判断して心肺蘇生が行われず放置されるという事例が少なくありませんでした。(上記のさいたま市の事例も、死戦期呼吸を「呼吸をしている」と誤って判断したため対応が送れたいわれています。)

ある文献によると、倒れた瞬間が目撃された心停止の約55%で死戦期呼吸が発生するも、呼吸をしていると誤解されるために心停止傷病者の約20%は心肺蘇生を受けることなく放置されるといわれていますが、死戦期呼吸がない傷病者に比べ、死戦期呼吸がある傷病者は助かる確立が約5倍あるともいわれています。
かつてのガイドラインでは「呼吸があるかないか」と表現していたものの、死戦期呼吸の傷病者が放置されるケースが多く、G2005からは「普段どおりの呼吸があるかないか」という表現に変更されたものの、「死戦期呼吸が心停止のサインである」ことがなかなか浸透せず、放置される傷病者が未だ生じてしまっているのです。

(死戦期呼吸は東海警備の「動画でわかるZOLL AED Plus」でも映像で説明しています)
https://www.youtube.com/watch?v=HtyVA3IdTzA

“胸骨圧迫について”

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G2010では「少なくとも1分間に100回のテンポ」「少なくとも5cm沈むくらい」というように、速さと深さは上限が定められていませんでした。
しかし胸骨圧迫は速くなりすぎると圧迫の深さが不十分となり、血流が減少してしまいます。(自転車の空気ポンプをすごく速く動かそうとすると、最大のストロークでのポンプができなくなるのと同じです)
また、圧迫の深さも、過剰な強さで圧迫を続けると傷病者の身体に不要の損傷を与えるおそれがあるため、それぞれ限度が定められました。

速さは「1分間に100~120回のテンポ」、深さは「約5cm(6cmを超えないこと)」とされていますが、トレーニングにおいて圧迫が6cmを超えていないことを判断するのは困難なことですし、もともと市民救助者は生身の人間に対し胸骨圧迫を行う恐怖感から圧迫が浅くなり、それを防止するためG2010では「少なくとも5cm」という表現を用いていました。上限を強調しすぎると「限度を超えてはいけない」と強い圧迫を躊躇するおそれもあることから、もしかしたら市民向けの講習では圧迫の深さの上限はさほど重要視されないのかもしれません。

なお、ガイドライン内には「心肺蘇生の質に関するリアルタイムフィードバック装置の使用」についても記載されています。

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東海警備が取扱うAED「ZOLL AED Plus」は、胸骨圧迫の状況をリアルタイムで検知し、必要な行為を「もっと強く押してください」など音声で指示する機能を有したAEDです。

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圧迫の強さのゲージ(ディスプレイの最右部)についても既に5~6cmを適正としていますから、圧迫の深さの上限に関する定めにも対応済みです。

(ZOLL AED Plusの詳細についてはこちらをご覧ください)
http://www.tokai99aed.com/feature.html

“人工呼吸について”

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人工呼吸はある程度の訓練が必要であり、効果的な人工呼吸を行うスキルを持ち合わせていない市民救助者は、胸骨圧迫のみの心肺蘇生を継続するとされています。
この人工呼吸を省略した「胸骨圧迫のみの心肺蘇生」が近年普及し、市民救助者による心肺蘇生実施の件数も年々増加していますが、同時に誤解も広まっています。
それは、「いまは人工呼吸は不要である」という考え方です。

そもそも胸骨圧迫のみの心肺蘇生を普及させた理由として、「傷病者に口をつける人工呼吸は難しく、心的負担にもなるため、人工呼吸に抵抗感がある救助者が胸骨圧迫すら行わなくなることを防止する」「倒れた瞬間を目撃している心臓が原因の心停止(心原性心停止)であれば、血中に酸素があるため、胸骨圧迫のみでも傷病者を救うことができる」というものがありました。胸骨圧迫のみの心肺蘇生はあくまで「倒れた瞬間を目撃している成人の心原性心停止」を対象とした(我が国における心臓突然死の減少を目的とした)ものなのです。

しかし心停止はこれ以外の状態もたくさんあります。窒息や溺水などは呼吸停止から心停止に至る「呼吸原性心停止」ですし、子どもの心停止は圧倒的に呼吸原性心停止が多いので、人工呼吸で血中に酸素を取り込ませないと、いかに胸骨圧迫を行っても脳のダメージを防止できません。また、心停止から時間が経過している心停止も血中の酸素が消費されてしまっているので人工呼吸が必要です。したがって、このようなケースに対応すべき立場の方(プール監視員や学校教職員、保育士など)は人工呼吸スキルも習得すべきなのです。
胸骨圧迫のみの心肺蘇生はあくまで対応義務のない、善意で心肺蘇生を行う市民救助者用の手技であり、医療の専門家ではないものの職務の特性から傷病者の対応を行う義務がある方向けのものではないことをご承知おき頂ければ幸いです。

心肺蘇生に関し、G2010からG2015への大きな変更点は上記のようなものです。(ファーストエイド等についてはまた別の変更点があります)
手技の流れ自体は特に変わっておらず、細かな注意点が増えたといった感覚かもしれません。

(G2010での心肺蘇生はこちらから動画をご覧いただけます)
https://www.youtube.com/watch?v=HtyVA3IdTzA

なお、我が国の心肺蘇生教育は少々不思議な現象が起きています。
市民を対象とした心肺蘇生講習(消防機関の救命講習など)はこのJRCガイドラインに基づき行われるのですが、医療従事者の講習はAHA(アメリカ心臓協会)ガイドラインに則って行われるものが多いのです。AHAの講習は市民向けのものも開催されているため、日本人が知っている心肺蘇生の手順は皆同じというわけでもないのです。

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弊社が行う各BLSトレーニングサービス(心肺蘇生法やAED使用に関する出張講習)はこのJRCガイドラインの発表を受け、現在教材の仕様変更を行っているところです。春頃にはG2015に則った講習を皆様にお届けできる予定です。

 

 

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餅等を喉に詰まらせての救急搬送とその対応

新年のご挨拶が遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

救急蘇生に関する改正ガイドライン(日本ではJRC-G2015)のオンライン版が昨年10月に発表され、本年2月にはいよいよ完全版が発表されることにより、対応が早い講習実施機関等では夏ごろには新しいガイドラインでの講習が実施されているかと思います。弊社のAED/BLSトレーニングサービスも現在教材の改訂を進めており、新たなガイドラインに対応した講習を早く皆様に提供できるよう準備を行っております。

さて、正月といえば、餅を喉に詰まらせて救急搬送されるという事案が多発する時期でもあります。

報道によれば、元日と2日の2日間、東京都内では少なくとも16人が餅をのどに詰まらせて病院に救急搬送され、このうち80歳代の女性の死亡が確認されています。また、搬送時、少なくとも8人が心肺停止状態だったとのことです。

我が国では不慮の窒息による死者は毎年数千人規模で発生しており、うち85%以上を高齢者が占めています。また、子どもの窒息も少なくありませんが、いずれにせよ窒息は「予防」することが大切です。高齢者の食べるものは小さく切る、子どもが飲み込みそうなものを放置しないなどの対策が必要です。(小さく切った餅は実に味気ないとは思いますが・・・)

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窒息は、心停止と並び「救急車を待っていたのでは手遅れになる」非常に緊急性の高い事象であり、発生から数分の間の対応が生死を分けることとなりますが、心肺蘇生法に比べるとあまり普及していない印象を受けます。また、誤った対応により傷病者が亡くなった事例もありますし、「窒息したら掃除機で吸えばよい」という印象が世間に浸透しているのも恐ろしいことではないでしょうか。

窒息の解除(気道異物の除去)は、おおむね次の4つのスキルが必要です。

①窒息の認識と介入(窒息の疑いがある人を見つけ、救助が必要か判断する)
②傷病者が強い咳をしている場合の対応(助けを求め注意深く見守る)
③傷病者の反応はあるが強い咳ができない場合の対応(背部叩打法、腹部又は胸部突き上げ法)

④傷病者の反応がなくなった場合の対応(心肺蘇生の実施)

訓練を受けていないといざというとき動くことができないでしょうが、スキルの習得にはそんなに時間は必要ありません。職場の朝礼等でも訓練することができるくらいです。

特に、高齢者と接する機会が多い方(介護職員や家族に高齢者がいる方)や、子どもに接する機会が多い方(保育士や学校教職員、小さなお子さんをお持ちの保護者の方等)、飲食店の店員等には、窒息の解除のスキルは必須ではないでしょうか。このような方がスキルを身につけていれば、傷病者は亡くならなかったかもしれないという事例も少なくありません。

危機は突然やってきます。危機が発生してから後悔するのではなく、日ごろから準備をしておきませんか?東海警備のAED/BLSトレーニングサービスでは、窒息の解除に関する訓練も勿論行います!

東海警備のAED/BLSトレーニングサービスについて

http://www.tokai99aed.com/training.html

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