カテゴリー別アーカイブ: コラム

餅等を喉に詰まらせての救急搬送とその対応

新年のご挨拶が遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

救急蘇生に関する改正ガイドライン(日本ではJRC-G2015)のオンライン版が昨年10月に発表され、本年2月にはいよいよ完全版が発表されることにより、対応が早い講習実施機関等では夏ごろには新しいガイドラインでの講習が実施されているかと思います。弊社のAED/BLSトレーニングサービスも現在教材の改訂を進めており、新たなガイドラインに対応した講習を早く皆様に提供できるよう準備を行っております。

さて、正月といえば、餅を喉に詰まらせて救急搬送されるという事案が多発する時期でもあります。

報道によれば、元日と2日の2日間、東京都内では少なくとも16人が餅をのどに詰まらせて病院に救急搬送され、このうち80歳代の女性の死亡が確認されています。また、搬送時、少なくとも8人が心肺停止状態だったとのことです。

我が国では不慮の窒息による死者は毎年数千人規模で発生しており、うち85%以上を高齢者が占めています。また、子どもの窒息も少なくありませんが、いずれにせよ窒息は「予防」することが大切です。高齢者の食べるものは小さく切る、子どもが飲み込みそうなものを放置しないなどの対策が必要です。(小さく切った餅は実に味気ないとは思いますが・・・)

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窒息は、心停止と並び「救急車を待っていたのでは手遅れになる」非常に緊急性の高い事象であり、発生から数分の間の対応が生死を分けることとなりますが、心肺蘇生法に比べるとあまり普及していない印象を受けます。また、誤った対応により傷病者が亡くなった事例もありますし、「窒息したら掃除機で吸えばよい」という印象が世間に浸透しているのも恐ろしいことではないでしょうか。

窒息の解除(気道異物の除去)は、おおむね次の4つのスキルが必要です。

①窒息の認識と介入(窒息の疑いがある人を見つけ、救助が必要か判断する)
②傷病者が強い咳をしている場合の対応(助けを求め注意深く見守る)
③傷病者の反応はあるが強い咳ができない場合の対応(背部叩打法、腹部又は胸部突き上げ法)

④傷病者の反応がなくなった場合の対応(心肺蘇生の実施)

訓練を受けていないといざというとき動くことができないでしょうが、スキルの習得にはそんなに時間は必要ありません。職場の朝礼等でも訓練することができるくらいです。

特に、高齢者と接する機会が多い方(介護職員や家族に高齢者がいる方)や、子どもに接する機会が多い方(保育士や学校教職員、小さなお子さんをお持ちの保護者の方等)、飲食店の店員等には、窒息の解除のスキルは必須ではないでしょうか。このような方がスキルを身につけていれば、傷病者は亡くならなかったかもしれないという事例も少なくありません。

危機は突然やってきます。危機が発生してから後悔するのではなく、日ごろから準備をしておきませんか?東海警備のAED/BLSトレーニングサービスでは、窒息の解除に関する訓練も勿論行います!

東海警備のAED/BLSトレーニングサービスについて

http://www.tokai99aed.com/training.html

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AEDの適正な販売設置と一次救命処置の
普及啓発で救命率・社会復帰率の向上を!

東 海 警 備 保 障 株 式 会 社

名古屋市北区清水五丁目8番1号(本社)
TEL(052)914-3351 FAX(052)914-0214

AEDサイト http://www.tokai99aed.com/

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導入設置、救命講習のご相談は東海警備へ
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平成26年中の市民による心肺蘇生・AED使用の状況

先日、総務省消防庁から「平成27年版 救急・救助の現況」が発表されました。
これは全国の救急・救助事案に関するデータを取りまとめた資料で、救急出動や搬送の件数、傷病の程度別件数、行った処置の件数等が約200ページに渡り記載されており、市民による応急手当の件数や応急手当普及啓発講習(消防機関が実施するもの)の受講人数等も記載されています。
平成27年版には、「平成26年中」の全国のデータが記載されていることにご注意ください。

総務省消防庁・報道資料『平成27年版 救急・救助の現況』
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h27/12/271222_houdou_2.pdf

ここでは、市民による応急手当等に関連する部分をピックアップしてお話しします。

”救急出動件数、搬送人員ともに過去最多”

救急出動件数 540万5,917人(対前年比+6万9,238件 ・ +1.2%)

搬送人員 540万5,917人(対前年比 +5万9,830件 ・ +1.1%)

救急出動件数や搬送人員は年々増加しています。高齢化による救急要請の増加などもありますが、緊急性のない救急要請(自身で病院に行けるのに救急車を呼ぶ事案など)も少なくありません。
救急車は「具合が悪くなったら呼ぶ」ではなく、「今すぐ医師の治療を受けなければ危ない場合に呼ぶ」ものであることを皆が認識することが望まれます。

”現場到着所要時間等も延伸”

現場到着所要時間 全国平均8.6分(対前年比+0.1分)

病院収容所要時間 全国平均39.4分(対前年比+0.1分)

119番通報を受けてから救急車が現場に到着するまでの時間は年々遅くなっており、平成26年中の全国平均は8.6分となりました。10年前の平成16年が6.4分でしたから、10年間で2分以上も遅くなっています。
また、病院収容までの時間も遅くなっていますが、これは救急救命士が可能な救命処置が多くなり、現場でできる限りの処置をしてから搬送することが多くなっていることも影響しています。

”市民による応急手当や除細動(電気ショック)の実施は増えてはいるが・・・”

心肺機能停止となった方は12万5,951人発生した中で、周りに居合わせた人が迅速に救命処置を行うことによって社会復帰できる可能性が高い「心原性心停止(心臓が原因の心停止)により倒れた瞬間を一般市民が目撃した症例は2万5,255件ありました。
この際に市民が心肺蘇生を実施したのは1万3,015件(51%)、AEDによる除細動(電気ショック)が実施されたのは1,030件(4.0%)であり、前年より実施数は増加したもののまだまだ「助けられたかもしれない命」がたくさん存在しているのです。
AEDのさらなる普及のみならず、市民に対する一次救命処置・心肺蘇生法教育の推進が望まれます。

東海警備が行うAED・一次救命処置(心肺蘇生法)関係講習の詳細はこちら
http://www.tokai99aed.com/training.html

市民による心肺蘇生の実施状況に関する詳細はこちらの画像をご覧ください。(クリックで拡大)
※数値を読む上での注意事項も画像内に記載してありますので必ずお読みください。

平成26年中の市民による心肺蘇生まとめ

本年の情報発信は本日までとなります。
東海警備のAEDを導入・使用頂いた皆様、AED/BLSトレーニングサービスをご利用頂いた皆様、また、このサイトをご覧頂いた皆様、誠にありがとうございました。
来年も我が国における心臓突然死の減少を目指し、AEDや一次救命処置の普及に努めて参ります。
それでは事件・事故のない安全な新年をお迎えください。

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